評価 ★ 3
(+タッチディスプレイ +カラー液晶 +ラップ機能 +値段)
(-カラーマップの完成度 – ナビ機能なし -リルート機能なし -日本語訳の雑さ)
アリエクで見つけたLink-s製のタッチディスプレイ付きGPSサイクルコンピューター。
前回の記事から時間が空いてしまい申し訳ありません。
今回は実走後レビューになります。
また、購入時より時間が経過し、新しく各社から様々な廉価モデルのサイクルコンピューターが発売されました。
今回は前回のレビュー編とは違う機種とも比較していけたらと考えています。
Contents
購入動機
Aliexpressのサマーセール期間中に見つけて購入したものになります。
到着・基本設定などについては上記の記事を参照ください。
簡単に言うとBCM401は、ナビゲーション機能がないもののカラー液晶やタッチディスプレイが搭載された、他社モデルでいう「ミドルグレード」程度のスペックを持ったモデルです。
当時8200円程度で購入し、コストパフォーマンス的は相当高いと言えるでしょう。
機能も豊富で、ある程度多機能といえると感じました。しかし、果たして機能面以外での性能はどうなのか。
大学のレポートに追われながら1週間ほど使用しました。
率直な使用感をレビューしていきます。
製品概要
取付方式はGarmin互換です。
パッケージにもGarmin互換のものが一つ付属します。しかし、画像の通り付属のものにはマウントにねじで止められるような二つ穴が開いていないので、マウントにつけたいのであれば注意が必要です。筆者はAmazonで600円くらいで売られているマウントを使っているのですが、
それに同梱されていたものに取り付けています。
付属品は以下の通りです。
ステムボルトやハンドルに取り付けられるアウトフロントマウントは付属していませんので、別に購入する必要があります。
性能・価格帯共に近いIGPSPORTS製のBSC300とMagene製のC606との比較表を作成しました。
Link-S BCM401.H | iGPSPORTS BSC300T | Magene C506 | |||||
重量 | 76g(公称) | 76g(公称) | 76g(公称) | ||||
解像度 | 320×240ピクセル | 320×240ピクセル | 不明 | ||||
スクリーンサイズ | 2.4inch | 2.4inch | 2.4inch | ||||
GNSS | GPS GLONASS GALILEO BEIDOU QZSS | GPS GLONASS GALILEO BEIDOU QZSS | GPS GLONASS GALILEO BEIDOU | ||||
充電端子 | USB TypeC | USB TypeC | USB TypeC | ||||
拡張バッテリー | 非対応 | 不明 | 不明 | ||||
内部ストレージ | 256MB(拡張可) | 8GB | 4GB | ||||
稼働時間 | 24時間(公称) | 20時間(公称) | 25時間(公称) | ||||
地図 | 専用MAP(OSM?) | OSM | 専用MAP | ||||
防水等級 | IPX6 | IPX7 | IPX7 | ||||
タッチパネル | 対応 | 非対応 | 対応 | ||||
パワーメーター | 対応 | 対応 | 対応 | ||||
Di2 | 対応 | 対応 | 対応 | ||||
値段 | 8,271円(税込)(セール時) | 21,560円(税込) | 27,500円(税込) |
定価自体はどのセラーも21,000円前後でした。
しかし、おそらく常時セール価格であるとみてよいでしょう。
実際の使用感
実際走っている途中の画像
先述した通り、amazonで購入したGarmin互換のマウントに取り付けて使用しました。
購入してしばらくライドへ行き、実際の使用感を検証しました。
使用距離としてはそう長くはありませんが、筆者がとりあえず検証可能な範囲である程度の性能の検証はできたかなと思います。
ハードウェア
ディスプレイ
Link-s BCM401の液晶解像度は320×240で、BSC300と同じです。
表示はなかなかきれいでライド画面も文字が太字で描写されているため見やすいです。
輝度調整ができるのですが、「明るい」「標準的」「微弱」「自動」「手動」の5つから選択でき、
「手動」を選択するとタッチパネルで自分で好きなように輝度を調整できます。
「手動」で「微弱」より画面を暗く表示することができました。
また手動で明るさレベルを最低まで下げきることによってバックライトをオフにできますが、暗すぎて使えたものではありませんでした。
ユーザーが自分で明るさを微調整できるのは非常に良いですね。
強いて言えば明るさのパーセンテージ表示が欲しかったです。
明るさに関しては昼でも夜でも手動で「微弱」でよいかなと思います。
サイコンの操作性および計測について
このサイクルコンピューターはタッチパネルを搭載しています。そのため直感的に操作することができました。
しかし、画面サイズが2.4inchと小さいので細かい操作は走行中では厳しかったです。試しに輝度調整等でインジケーターバーを動かしましたが、難しかったですね。
しかし実際に走行中にする操作はせいぜいマップ縮尺切り替え、表示内容切り替え程度でしたので、あまり問題はないかなと思います。
サイコン本体については側面の赤いボタンを3秒ほど長押しすることで起動することができます。
さらに、起動しているときに電源ボタンを1回押すとスリープモードに移行します。
このスリープモードはディスプレイの電源を落とした状態になりますが、計測は続けられていました。
逆に、サイコンをシャットダウンしたいときは3秒ほど電源ボタンを長押しすることでシャットダウンするか否かの選択肢が出てきます。
ライド計測をしたい場合は本体左下の「▶II」ボタンを押すとデータページに転移し3秒後に計測が始まります。
なお、計測開始時にGPS信号をとらえていないor移動していない場合は計測はすぐに一時停止します。
計測に関しては余計な操作が不要でよいと感じました。
バッテリー
バッテリー残量80%で2時間のライドを開始し、帰宅時には65%程度でした。
つまり一時間で7.5%のバッテリー残量を消費していることになります。
バッテリーが100%の状態から1時間7.5%消費することを考えると13時間半程度でバッテリーを完全に使い切る計算になります。
これでは公称の半分程度しか稼働時間は持ちません。
公称時間より大幅にバッテリー稼働時間が短い原因を考察してみました。
今回のライドでのBCM401の使用条件は以下の通りです。
気温 | 23℃~28℃ | ||
輝度 | 標準的 | ||
GNSS衛星 | GPS,BEIDOU,QZSS | ||
接続機器 | スマートフォン | ||
自動スリープ | ON(1分) |
バッテリーの劣化は気温的にないかと思います。
おそらくですが、輝度が高すぎたことと自動スリープからの復旧を画面が暗くなるたびにしていましたので
画面の再点灯に結構バッテリーを消費してしまったのかな、と感じました。プラスアルファで輝度もそれなりに高かったので。今後は手動で「微弱」程度の明るさでスリープoffでどのくらいバッテリーが持つか試したいですね。
充電性能
本サイクルコンピューターは充電用にUSB Type-Cを採用しており、背面に充電用端子があります。
充電しながらの使用も可能ではありますが、端子の位置的に厳しいものがあると感じました。
ここは背面ではなく下部に充電端子が欲しかったところです。
充電時間は大体2時間30分から3時間の間でした。
ストレージ
本体のストレージは256MBです。少ない。
ですが外部ストレージとして16GBのMicroSDカードがデフォルトで挿入されています。
マップデータもライドデータもルートデータもこのMicroSDから読み書きするわけですが、まあ16GBもあれば問題ないと思います。ライドデータとかはすぐStravaにアップロードすると思うので。
ルートデータの読み込み時間はそのルートの総距離によりますし、当然長ければロードに時間がかかります。
330km程度のルートデータは7秒程度で読み込めました。大きな内部ストレージを持つBSC300やMagene C606と比べたら遅いと思います。ここはコストカットを意識してきた感じですね。
処理能力
どのようなCPUを搭載しているかはわかりませんが、Link-s BCM401を製造する
Lishun Electric&Communication CO.,LTD.(公式ページ:http://www.ls-ec.com/)は、カーナビの基盤の開発をメインとする企業の様です。このサイクルコンピューターもカーナビ基盤を小型化カスタムされた基盤が搭載されていると予想しています。また、他社のサイクルコンピューターも製造しているのでは?と考えています。
耐水性
Link-S BCM401Hは、防水等級としておそらくIPX6を採用しています。
おそらく、というのは同じLink-S BCM401Hでも各社の商品でIPX6とIPX7が混在しているためです。
ここでは、X6だと考えます。なぜなら、外箱にIPX6だと記載があるためです。
防水テストとしてシャワーを数分にあたってかけました。
特に浸水などなく、合格点だといってよいかと思います。
ソフトウェア
MAPについて
BCM401は設定させることでマップを表示させることができます。が、少々設定が面倒くさいです。
マップを表示させるための設定は以下の記事を参照ください。
地図ソースはアプリ側で確認したところ恐らくOSMです。道路名・鉄道路線名が日本語で表示されるほか、
送電線の位置・国道○○号といった表示がされ、地図もシンプルで見やすいです。
コース表示
Link-S BCM401Hは、いままで自分が通ってきたルートの表示や、事前にGPXファイルを読み込ませることでコルートを表示することができます。
以下が読み込ませたGPXファイルの表示になります。
読み込ませたルートは緑の線で表示され、通ってきた線は青色に変わります。
ただ、他の機種にあるような「進行方向を表示する機能」「ゴールまでの距離」「ナビ機能」などはありません。
マイナス点ですね
サポートに連絡を取り、追加するように言いましたが実装されるかはわかりません。
計測画面
その一方で、マップの縮尺は最大4パターンしかない上、500mや800mといった表示がないので、どのくらいの縮尺表示がされているか不明です。ここは他サイコンの方が優れていると感じました。要改善点ですね。
一応16GBも容量があるのでもう少し力を入れてほしかったなと感じました。
地図において設定できる面は多くはありません。
ナビゲーションもないのでここはすこし機能不足といった印象。
マップ画面では、常に北が画面上側になるほか、タッチパネルで地図を動かすとと地図の中心を移動させることができます。ここはGarmin EDGE530などと同様の機能を持っています。
計測は、サイコン左下の画面を押すことで開始されますが、はっきりいって「累積上昇」と「高度」に関してはあてになりませんでした。ただし、ライド後に確認できるデータでは比較的正しい値になっていました。
システムの安定性
いまのところ、使用中にシステムがシャットダウンしたり、操作不能になるといったことはありません。
ここに関しては問題ないのではと考えています。
先ほども述べた通りかくつく場面がいくつかありました。
しかし突然シャットダウンしたり読み込ませていたデータ情報が消えてしまうということはなかったので、ここは合格ですね。
一つ気になったのがスマホとのペアリングです。
このサイクルコンピューターは専用アプリ「Link-S」を使用してスマホとペアリングをします。
しかし、アプリでペアリングをしていないにもかかわらずスマホとBlueToothで接続してしまうことがあります。
この状態になるとアプリではつながっていない判定にもかかわらずスマホと接続されている状態という謎判定になり、アプリ側でサイコンを見つけることができません。(アプリもサイコンも周りにある「どのデバイスにも接続されていないサイコンorスマホを探すため」)
この状態になったら、一度スマホのBluetooth接続設定画面に入り、接続されているサイクルコンピューターを接続解除してください。その上でアプリから再接続することで、再度問題なくペアリングすることができます。
まとめ
発売当時(2024/06)は同価格帯にカラーでタッチディスプレイ・各種ペアリングや専用アプリ対応のサイコンが存在しなかったため、コストパフォーマンスに優れた製品でした。
しかし、現在はMagene C506(18000円~)の登場、なによりBCM401Sと同程度でナビ、リルート機能を備えたC506SE、またC506SEと同品かと思われるGEOIDのCC600というサイクルコンピューターが登場しており(2024/10~)、現在購入するのであればそちらの二択だと思います。
そちらも記事を作成するつもりですので、よろしくお願いいたします。
今回レビューしたlink-s BCM400.H
今後購入予定のGEOID CC600
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